耳とめまいの病気について
◆耳あか
生後数ヶ月から高齢者の方の耳そうじも、耳あかを溶かす薬などを使って、できるだけ痛くないように行います。
耳あかがたくさんたまると固くなって取る時に痛いので、定期的な耳そうじをお勧めします。
耳あかがたまって骨が溶ける真珠腫という病気の場合も、定期的な耳そうじが必要です。
◆外耳炎
耳そうじで傷がついたり、イヤホンなどで皮膚に炎症が起きたものが多いです。点耳薬や塗り薬を処方します。
痛みが強く、耳たぶやリンパ節が腫れてくると帯状疱疹ウイルスが原因である場合があるので、抗ウイルス薬が必要になります。
◆急性中耳炎
鼻と中耳をつなぐ耳管という管が太くて短いため、鼻から中耳に細菌が入りやすい子供に多い病気です。
中耳の膿が多くなると痛みが出て、鼓膜が破れると耳だれが出ます。
抗菌薬で治りますが、原因である鼻水の吸引も大切です。
◆滲出性中耳炎
炎症などで鼻と中耳をつなぐ耳管という管が狭くなって、中耳に滲出液がたまる病気です。
痛みはありませんが、聞こえが悪くなります。
アデノイドが大きい子供に多いですが、大人の場合は腫瘍が原因の可能性もあるので、ファイバースコープによる検査が必要です。
◆慢性中耳炎
中耳に慢性的に炎症があり、鼓膜に穴が開いて耳だれを繰り返す病気です。
鼓膜をふさぐ手術を受けることで、聞こえが良くなる可能性があります。
◆真珠腫性中耳炎
真珠のような色の耳あかがたまり、鼓膜の上皮が中耳の方に入り込んでいき、聞こえが悪くなる病気です。
細菌が感染すれば、耳だれも出てきます。
CTで骨が溶けていることを確認することで、診断できます。
◆耳管開放症
体重が減ったり、脱水などが原因で鼻と中耳をつなぐ耳管という管が開いたままの状態になる病気です。
話をする時に自分の声が響いてうるさく感じることが多く、顎を引いたり、横になると症状が良くなります。
体重を増やしたり、漢方薬で良くなる可能性があります。
◆突発性難聴
原因は不明ですが、突然、聞こえが悪くなる病気です。
めまいを伴う場合もあります。
できるだけ早く、ステロイドによる治療がを行うことが大切です。
◆急性低音障害型感音難聴
突然、低音だけ聞こえが悪くなる病気です。
耳が詰まった感じになったり、音が響いたりすることが多いです。
めまいは伴いませんが、メニエール病の初発症状である可能性があります。
◆耳鳴症
加齢による難聴に伴うものが一番多く、漢方薬が有効な場合があります。
当院ではTRT治療(耳鳴りと似た音を聞かせる装置を使った治療)も可能です。
◆メニエール病
めまいと難聴を繰り返す典型的なタイプや低音の難聴だけを繰り返すタイプがあります。
低音だけの難聴だと自覚がない場合もあるので、聴力検査を行います。
疲労やストレス、脱水が原因と言われているので、お薬を飲むのと同時に生活習慣の改善も必要です。
◆良性発作性頭位めまい症
三半規管に入り込んだ耳石が原因で、頭を動かすとめまいがします。
頭を動かすと、眼振検査で特徴的な眼振が認められます。
徐々に良くなることが多いので、お薬を飲みながら回復を待ちます。
◆前庭神経炎
突然、激しいめまいがおこりますが、難聴は伴いません。
眼振検査で激しい眼振を認めます。
動けない程、激しいめまいが起こると入院が必要になります。